セールスプロモーションの企画の際に、検討すべき要素には、以下のようなものがあります。
これらはごく基本的なもので、特に企画書の作成の際には、この要素を落とさないように構成します。また、アイデアを出すときもこの要素に沿って考えることで、理論的なアイデアが導きだせます。
セールスプロモーションで求められ目標は、販売に繋がる成果です。
最も直接的なものは「売上額の増加」ですが、売上だけでなく、「顧客・ファンの獲得」や「商品の理解促進」なども含めた複合的な目標を設定すると企画としての魅力が高まります。
そして、その目標によって、ターゲットや施策の方向性が変わります。
【販促目標の例】
・売上の増加 (売上額、販売個数、購買人数 など)
・新規顧客の獲得 (新規購入者数、サンプル配布数 など)
・既存顧客のリピート率向上 (既存客とのコンタクト回数、購入回数 など)
セールスプロモーションのターゲットは、その商品を購入できる環境にある人、またその商品のメリットが得られる人です。
【ターゲットの属性の例】
・販売店(またはサイト)の来店客層
・商品を必要としている人
・商品に関心がある人
・販売主が設定した商品の利用対象者
などです。
このターゲットがどのような欲求や課題をもっているのか、またその環境などを知ることで、消費者側からの視点で商品のニーズを確認します。
【ターゲットのニーズや環境の例】
・興味や関心をもっている事
・過去の購入実績、購入意欲
・過去の行動パターン
など
セールスプロモーションの企画には、目的と手法(または演出)とを繋ぐ、コンセプトワードの設定が有効です。
コンセプトを設定することで、訴求内容をより明確にするとともに、キャンペーンやPOPツール、イベントなど様々な施策に統一感が生まれます。
また、コンセプトがあることで、消費者の関心に寄った演出が企画しやすくなります。
【コンセプトの切り口】
・対象商品の特徴(商品のコンセプト、差別化ポイント、新機能など)
▶参考:4P分析
・購買ターゲットの特徴(性別、年齢層、ライフスタイル、家族構成など)
・需要の機会(日常品、嗜好品、使う場所、使うシーンなど)
・季節性(季節の行事、季節の食事、季節の情緒など)
▶参考:月別販促テーマ
・社会背景や流行(近年の社会の傾向、トレンド情報、話題のモノ・コト)
▶参考:トレンド情報
・面白さ、ユニークさ
・売場のツール(POP)
・チラシ(新聞折り込み、配布、WEBサイト)
・ノベルティ
・サンプル配布
・マストバイキャンペーン
・イベント(集客イベント、実演販売など)
・ポイントサービス
・コラボレーション
・SNSキャンペーン
など
季節の特徴や歳時イベントなどをテーマとしたものです。シーズンプロモーションと呼ばれることがあります。
一般的には、年間の中で需要が高まる時期やイベントに焦点を当てますが、新しい需要も創出を狙って、まだあまり知られていないテーマを消費者へ提案・啓蒙していく場合もあります。
【販促のテーマとなりやすい季節行事、風習】
1)特定の季節イベント
・クリスマス、バレンタイン、ハロウイン、母の日 など
・季節の需要
・夏のレジャー、梅雨のカビ対策、冬の防寒対策 など
2)生活行事、文化、風習
・新学期、卒業、運動会、大掃除 など
【参考情報】
販売促進活動におけるクロスMD(クロスマーチャンダイジング)とは、関連性のある商品を組み合わせて販売することで、それぞれの商品に対する需要や顧客の興味を引き、相乗の売上効果を狙う販促手法です。
【クロスMDの展開(例)】
・関連した商品を一か所にまとめて陳列する
・テーマに合わせた商品に共通のPOPを設置する
・異業種ブランドのコラボにより、同時購入者に特典をつける。
・関連商品を一つのパッケージにして販売する(セット販売)
他のブランドやインフルエンサー、販売流通などとのコラボにより、限定商品を開発したり、キャンペーンを実施したりする手法です。
コラボ相手との協業によってシナジー効果(相乗効果)を生み出すことを狙うもので、コラボ先の選定や目標設定、展開内容には、計画と調整が重要です。
【コラボレーションによる戦略(例)】
・コラボ先の顧客に商品を紹介することで、知名度や新たな顧客を獲得する。
・特別なキャンペーンや特典を提供し、購買を促す。
・異なる業界や市場の顧客層にアプローチすること、新しいチャンスの獲得や競争力強化を図る。
・新しいアイデアやデザインが生まれ、新しい価値づくりのきっかけとなる。
【コラボ相手の選定基準(例)】
・共通の価値観とブランドイメージ
・ターゲットの適合性
・製品やサービスを補完する、相互に利益をもたらす要素
・双方のリソースや予算のバランス
・信頼性と実績