Z世代、α世代


時代にマッチしたマーケティング活動のために、世代の特徴を考察することは有効な手段の一つです。

その時代を象徴するような世代、つまりマーケティングの重要なターゲットとなる世代には名前がつけられ、様々な分析がなされてきました。

ここでは、近年話題のなることが多いZ世代、α世代について、各世代の特徴をまとめます。

 


生まれ年による世代カテゴリー

これまでに話題になってきた注目世代の生まれ年代をまとめると以下のようになります。

※生まれ年は諸説ありますが、一つの目安です。

 

世界的な世代カテゴリー

X世代           1965年~1980年生まれ

Y世代(ミレニアル世代)  1981年~1994年生まれ

Z世代           1995年~2009年生まれ

α世代           2010年以降生まれ

 

日本の世代カテゴリー 

バブル世代         1963年~1970年生まれ

ゆとり世代         1987年4月2日~2004年4月1日生まれ

 


Z世代(ゼットせだい:ジェネレーションZ)とは


Z世代とは世界的にカテゴライズされている世代です。

一般的に、1995年頃から2010年頃に生まれで、2022年時点では12歳から27歳くらいになる人たちを指し、学生から若い社会人という世代です。

この年齢は、人生の中でも好奇心が旺盛で成長の大きな時期であり、マーケティング視点では、この世代が流行を牽引するとされています。

 


Z世代の特徴


Z世代の特長としては以下のようなものが挙げられています。

(1)インターネット環境に親しんでいる

生まれた時からインターネットが普及しており、多くのデジタル情報に触れて育っています。ネットでの情報収集やSNSでのコミュニケーションが当たり前。テレビの視聴時間よりもインターネット利用時間が多いと言われるようになった象徴的な世代です。

 

(2)社会問題への関心が高い

SDGsに代表されるような環境問題への取り組みや多様性に関する考え方に若いうちから触れています。特に「人権」や「環境保護」に対して意識が高く、企業やブランドのイメージや評価要素としても重視している人が多いと言われています。

 

(3)ブランドに対するこだわりがあまりない

タレントや俳優よりもYouTuberSNSのインフルエンサーの方が身近で信頼できる存在になっています。ブランドは、知名度や歴史よりも「自分の価値観に合うかどうか」を重視する傾向があるようです。

 


Z世代マーケティングの注意点


世代のマーケティング分析する時には、その目的を見失ってはいけません。

 

世界の定義をそのまま日本に当てはめない。

「これからの注目世代はZ世代だ」という論調はよく目にするものですが、例えば、日本とアメリカではZ世代のシェア率は大きく異なります。Z世代マーケティングの理論の多くはアメリカ発祥です。

日本の市場にそのまま当てはまるかどうかは、慎重な考察が必要になります。

当然ながら、少子化の進む日本において、Z世代(以下)は、今後の市場の中で多数派層ではありません。

日本とアメリカの人口分布比較 Z世代の割合は全く違う

Z世代マーケティングの本来の意義

どの国でもどの時代でも共通するのは、「若者マーケティング」の考え方です。

企業やブランドにとって10代から20代の若者たちは、ファン化することによって、その後の長い期間において繋がることができます。

それは、本人の継続利用だけではなく、次の世代(後輩や子供)への推奨へと発展することもあります。

そして、若い頃に使った商品は、大人になってからも思い出補正によって、よい印象をもつことを誰もが実感しているでしょう。



Z世代の次は「α世代」


現在では、Z世代の次の世代として、オーストラリアの社会学者マーク・マクリンドル氏が2005年に提唱した「α世代(ジェネレーションα)」も語られています。

α世代は2010年以降に生まれた世代で、世界では2025年に25億人になると推計されています。

 


α世代の特徴


α世代は、2010年以降生まれ、つまり2022年現在ではまだ10代前半です。子供時代の環境は、今後の成長と価値観の形成に影響を与えることから、α世代の特徴を理解しておくことは、先のマーケティングを見据える際に重要です。

 

(1)ミレニアル世代の影響

α世代は、ミレニアル世代(Y世代:1981年~1996年生まれ)の子供にあたる世代です。ミレニアル世代は、商品購入は体験やプロセスを重視して判断し、社会問題に関心が強いと言われてきましたが、α世代はこのような親の価値観に影響を受けると考えられていています。企業やブランドをポリシーや社会貢献度などで選択する傾向は強まりそうです。

 

(2)Withコロナの生活

幼少期にコロナ禍を経験し、マスク、密を避ける、オンラインでのコミュニケーションなどを受け入れていることで、いわゆる「WITHコロナ」の生活様式を普通のことと捉えるようになっていると思われます。

 

(3)タイパ重視

情報が溢れる社会に生まれていることから、自分に必要な情報の取捨選択が重要な要素となっています。モノよりも情報が生活に影響を与えることが多く、その成果をタイムパフォーマンス(=タイパ)で考えることが多くなっているといわれています。これはZ世代にも言えることで、記事の飛ばし読みや動画の倍速再生など、より効率良く自分が欲しい情報を得ようとしています。

 

(4)多様性と自分らしさ

多様性(ダイバーシティ)に対する理解があり、それ以前の世代に多くあった「みんなと一緒」「多数派が良い」という考えとは異なることが多くなっています。自分の価値感はもちろん、他人の価値観や感覚も尊重し受け入れる傾向があります。これはZ世代とも共通しています。

 


これらの世代をマーケティング的に考察する時に、基本となるのはそれぞれの時代の社会環境や特徴的な出来事です。

それがその時代を生きる人々の経験や知識となって、少なからず価値観や行動に影響を与えると考えられるからです。

しかし、それぞれの世代はグラデーション的に存在し、多様性が強まる現代では、個々の価値観を簡単に読み取ることはできません。それを踏まえたうえで、世代をターゲットとしてマーケティングを企画しましょう。

 


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