近年拡大を続けるノンアルコール市場。ノンアルコールはお酒を飲めない状況での代替品としてだけでなく、積極的に選択されるものになっているのが近年の特徴。
ここでは、ノンアルコール&微アルコール商品および市場に関するニュースをピックアップする。
ノンアルコール市場の状況
10年で飲まない人の割合いは、若者層で大きく増加(厚生労働省調べ)
厚生労働省の国民健康・栄養調査の調査によると、
2009年と2019年の結果を比較した際に、お酒を飲む習慣がない人(=調査に対してほとんど飲まない、やめた、飲まない、飲めないと回答した人)の割合は20代から50代で上昇。最も上昇幅の大きかった30代では12ポイントの上昇。
お酒を飲まない人の方が多い。アサヒビール推計
お酒を飲まない人口は約4,000万人いるとされ、お酒を飲む人約2,000万人より多い
【出典】 https://www.asahibeer.co.jp/news/2022/0106_4.html (2022年1月6日)
ノンアルコール飲料の市場規模(インテージ調べ)
2022年のノンアルコール飲料の市場規模は前年比1.6%増の818億円。
コロナ禍前の2019年の663億円からは23.4%増加。
【出典】日経新聞:ノンアルコール飲料の価格上昇 人気支える「健康」価値
市場は継続伸長(サントリー調べ)
サントリーが行った調査によると、ノンアルコール飲料市場は、2015年より7年連続で伸長し、2021年は対前年115%で過去最大規模になったと推計。2022年には、対前年104%と引き続き拡大すると見込んでいる。
ソバーキュリアスとは
禁酒のように「お酒を我慢する」のではなく、お酒を飲める人が“あえてお酒を飲まない”という肯定的な選択をするライフスタイルのこと。Sober(しらふ)とCurious(好奇心が強い)を組み合わせた造語。
健康志向の高まりなどから、Z世代など若い世代を中心に日本でも広まりつつある。
ソバーキュリアスな行動としては、飲み会でも敢えてソフトドリンクのみで楽しんだり、晩酌を健康のために減らしたりなどが当てはまる。
ソバーキュリアスという言葉は2019年頃に欧米に流行し、2021年に入ったころから日本でも注目され始めたとされる。
ノンアルコールを選択する理由(LANY調べ)
ノンアルコールビール専門のEC&メディアAlldropを運営する株式会社LANYが行ったインターネット調査によると、 やむを得ずノンアルコールビールを飲む人よりも、"積極的選択" としてノンアルコールビールを飲んでいる人が多い結果となっている。
【調査概要】
・対象者 :20代〜70代の男女
・回答者数:247人
・調査期間:2022年11月4日〜6日
中でも「お酒を飲まずに取り組みたいことがある」の理由が多くなっていることが、近年の特徴とされ、ソーバキュリアン(=ソバーキュリアスを実行する人)が日本にも増えてきていることが感じられる。
ノンアルコール・微アルコール商品の最新トピックス(2023.10)
アサヒ ゼロ「#ZEROの衝撃」プロジェクト
10月24日から近畿エリアで先行発売する『アサヒ ゼロ』は、認知拡大と飲用喚起を目的に、「#ZEROの衝撃」プロジェクトを開始。
(1)期間限定バー『ビール好きのビアスタンド』
『アサヒ ゼロ』を体感できる期間限定のバー。
会場:梅田駅ビッグマン前
日時:2023年10月24日(火)~29日(日)
メニュー:3種飲み比べセット+軽食 200円
『アサヒ ゼロ』『アサヒスーパードライ』『アサヒドライゼロ』の3種の商品名が隠された状態から“本物のビール”を当てる3種飲み比べセット。
(2)TVCM
「ZEROの衝撃 ブラインドテスト」篇と「ZEROの衝撃 サンプリング」篇を近畿エリア限定で放映
※『ビール好きのビアスタンド』などの有料試飲イベントに加え、コンビニ引換クーポンや自宅配送キャンペーンなどで年内累計約20万本のサンプリングを実施予定
Beverichが「BRULO(ブルーロ)」の日本での独占販売契約を締結
ノンアル飲料に特化した輸入・小売・卸売事業を行うBeverich(ビバリッチ)株式会社は、イギリスのCoast Beer Co Limited社が製造するノンアルコールクラフトビール「BRULO(ブルーロ)」の日本国内における独占販売契約を締結した。
「BRULO(ブルーロ)」は、ビールと同じ原材料、製造工程で作られ、本格的な味わいや香りを実現。人工甘味料や保存料などは含まれていない。
ハイネケンのノンアルコールビール「Heineken 0.0」が日本上陸
国内売上No.1の海外プレミアムビール Heineken®からノンアルコールビール「Heineken® 0.0(ハイネケンゼロゼロ)」が2023年10月16日(月)より全国にて全国主要都市の小売店および飲食店で販売開始。
「Heineken 0.0」は2017年の販売開始以来、世界110の市場で販売され、ノンアルコールビールとして世界No.1の売上を誇る。
商品のキーメッセージは、「堂々とカンパイできるノンアル」。
■味
・通常のビールと同様に醸造し、その後でアルコールだけを除去する「脱アルコール製法」で、本物のビールと遜色のない本格的な味わいを実現。
・爽やかなフルーティーな香り、柔らかなモルティなボディ
■パッケージ
鮮やかなブルーのパッケージカラー
■プロモーション
(1)F1とのコラボ
2023/9/22に鈴鹿サーキットで開催される日本グランプリにて、先行発売。F1世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンがグローバル・アンバサダーを務める。
(2)近鉄白子駅前で商品のサンプリング(9/23~24)
(3)TVコマーシャル
(4)デジタルおよび店頭販促活動
(5)小売店でのプロモーション
ノンアルコール商品のニュース
『アサヒ ビアリー CRYSTAL WEIZEN TASTE』7月4日発売
「のんある晩酌 ハイボール ノンアルコール」リニューアル(サントリー)
“記憶力”に着目した機能性表示食品「あしたを想うオールフリー」新発売(サントリー)
「キリン グリーンズフリー」販売好調(2023.3)
IPAノンアルコールビール 「サッポロ 酔わないCRAFT」新発売(2023.4)
『アサヒ ビアリー』リニューアル
アルコール分0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料『アサヒ ビアリー』『アサヒ ビアリー香るクラフト』の中味とパッケージが2023年3月よりリニューアル。
■味
ビールらしいコクを出すためにろ過工程で麦のうまみがより残るように調整することで、さらに本格的な味わいを実現。
■パッケージ
・両商品共通で缶体裏面に2023年から新たに設定した “飲めても飲めなくても、みんな飲みトモ。”というお酒を飲める人と飲めない人が一緒に楽しめることを表現したメッセージを記載。
・ ビアリーは、上質で落ち着きのある現行デザインをベースに“New!”の大きなアイコンを配することで、普段お酒を飲む方に向けて、商品が新しくなったことを訴求。
・ビアリー香るクラフトは、手書きの“香るクラフト”の文字と“飲みながらくつろぐ人”のイラストを描くことで、若年層を中心とした普段あまりお酒を飲まない方が親しみやすく手に取りやすいデザイン。
機能性表示食品のノンアルコールレモンサワー「サッポロ LEMON'S FREE」パッケージリニューアル
アサヒドライゼロ発売10周年(2022年)
2012年2月に発売されたアサヒドライゼロは、2022年で10周年を迎える。
ノンアルコールビールテイスト飲料市場において、6年連続売上No.1(2016年1月~2021年12月)を達成。2021年の年間販売数量もブランド計で前年比113%と好調。
リニューアル点は、原材料の配合によって「味をよりビールに近づけた」ことと「ノンアルコールであること」の訴求を強化したパッケージデザイン。
広告キャラクターは石川遼から菅田将暉に交代。
ノンアルコール商品のプロモーション事例
夏のビーチをソバーキュリアスで楽しもう!Alldrop ソバーキュリアス Summer ワーケーション
海外ノンアルコールクラフトビールを輸入販売すAlldropが、ビーチ近辺の宿泊施設にローアルコールクラフトビールを無償提供し、宿泊するゲストにプレゼントするプロモーションを展開。
働きながらバケーションを楽しむ「ワーケーション」を実践する人達をターゲットとし、ソバーキュリアス体験を提供する。
期間:2023年7月1日(土)〜7月15日(土)
内容:Alldrop厳選のローアルコールクラフトビール「Vandestreek / ファンデストリーク」を、関東のビーチエリアにある3つの宿泊施設に無償提供
【宿泊施設一覧】
スマドリバー渋谷監修の『Ariake Miraie CAFÉ』オープン
『スマドリバー渋谷』とトヨタモビリティ東京がコラボしたカフェ「『Ariake Miraie CAFÉ』が2023年5月13日にオープン。
『Ariake Miraie CAFÉ』は、トヨタとレクサス複合施設型店舗「トヨタモビリティ東京有明」に併設される「Ariake Miraie(有明ミライエ)」内のカフェ。
提供されるノンアルコールドリンクのメニューをスマドリバー渋谷が監修し、タイヤの回転を想起させる『ゴールデントルク』やガソリンの注入を表現した『グリーン・リフュール』など、オリジナルのドリンクメニューが提供される。
Alldrop サウナの日にノンアルコールビールを無料プレゼント
海外ノンアルコールクラフトビールを輸入販売するAlldropは、2023年3月7日(火)のサウナの日に、「頑張る人のサ活を応援したい!Alldrop ととのうノンアルコールビールプレゼント!」を実施。
首都圏のサウナ施設にノンアルコールクラフトビールをプレゼントする。
実施サウナ施設
サントリー のんある酒場(2022年)
サントリーのノンアルコール飲料を楽しめる「のんある酒場」が、東京駅一番街2階の東京グルメゾンに2022年のGW期間限定でオープン。
サントリーのノンアルコール製品を使ったカクテルなどが提供される。
S&B ハーブの日にモクテル訴求(2020)
エスビー食品は2017年より、8月2日をハーブの日と制定。
2020年は英国風パブ「HUB」とコラボし「モクテル」をテーマにしたプロモーションを展開。
※モクテルとは
「真似た」という意味の「mock(モック)」と「cocktail(カクテル)」を組み合わせた造語。近年イギリスでの流行が始まったと言われる。
(1)オンライン飲み会
コラボモクテルのレシピ紹介、スパイス&ハーブマスターとHUB商品企画担当によるトークセッション。参加方法は、予約制のZoom視聴で先着300名
ノンアルコール専門の企業・飲食店
Alldrop
Alldropは、海外クラフトノンアルコールビールの輸入販売及びメディアを運営。
飲食店、小売店、宿泊施設、キャンプ場、シェアオフィスなどの幅広い施設にて、海外ノンアルコールクラフトビールを販売。運営しているのはミレニアル世代の3人。「日々、夢中になって前進するすべての人をノンアルコールビールを通してエンパワーメントしたい」というコンセプトを掲げている。
Beverich
『Beverich(ビバリッチ)』は、国内外のアルコール度数が1%未満のノンアル、低アルコール飲料やコンブチャ、ボトリングティーなどのスペシャルティドリンクを専門に取り扱うECサイト。社名の由来は、飲み物(Beverage)とそれが多様性に富んだ豊かさ(rich)をかけて、飲みものの楽しみを増やしたいという想いを込めたもの。
SUMADORI-BAR SHIBUYA
アルコール度数を選んでドリンクが楽しめるバー『SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバーシブヤ)』が、2022年6月30日渋谷センター街にオープン。
アサヒビールが提唱する「スマートドリンキング」を実現するバーとして、飲める人だけでなく、飲めない人、飲まない人も、お互いを尊重しながら楽しめるバー。
ドリンクのアルコール度数は、0.00%、0.5%、3.0%以上から選べる。
0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE
「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE(ノンアルコール エクスペリエンス)」は、2020年7月16日、六本木「ANB Tokyo」の1Fにオープンしたノンアルコールバー。”飲まなくても酔える”をコンセプトに、「お酒でもない、ソフトドリンクでもない、朝から楽しめる新感覚バー」として営業。開店時間は10:00~22:00で、一般的なアルコールが出るバーとは異なる午前中からの深夜前までの時間帯。オーナーは元俳優で現在はクリエイティブディレクターとして活躍する小橋賢児氏。