カクテルパーティ効果とは、人混みや騒がしい環境にいても、自分にとって重要な言葉や興味のある言葉が際立って聞こえる現象のことです。
カクテルパーティ効果は、音声情報の選択方法として発見されましたが、音声情報に限定されるものではありません。人は身の回りにあるあらゆる情報の中から無意識のうちに、自分にてきした情報を選択しているとされます。
【カクテルパーティ効果の実証】
イギリスの心理学者であるコリン・チェリーは、1953年に、人は気づかないうちに音声を取捨選択しているとして、カクテルパーティ効果を初めて提唱しました。
語源は、カクテルパーティの席では、みんながそれぞれ違うことを話していますが、自分に関係の深い言葉があると、意識していなくても耳に入ってきてしまう傾向があるということからです。
カクテルパーティ効果をマーケティングに活用するためには、消費者にそのコンテンツについて印象を与え、「自分事だ」という認識を与えます。
そのためには、ターゲットを明確にし、そのターゲットの属性や嗜好などのデータを把握し分析していくことが重要です。
カクテルパーティ効果を用いて「これはわたしにとって価値のある商品だ」と感じてもらうことが大事です。
消費者がすでに商品に興味を持っている場合は、「スペシャルオファー」や「最初の100人の購入者に限定」といった限定的なフレーズは効果的です。
「東京で転居を考えている人向けの特別キャンペーン」「この春に新社会人になった先着100組限定」などと修正することで、より限定された人をターゲットにできる可能性があります。
しかし、まだ興味を持っていない消費者のコンバージョンには効果がありません。
興味を持っていない消費者は「特典」、「キャンペーン」、「限定」などの言葉は他人事になりがちです。
メッセージの中に意識的に相手の名前を入れましょう。
接客、メールなど、顧客とコミュニケーションする際は相手の名前を意識的に挟むようにするのが効果的です。
相手の名前を呼ぶと、相手は、自分に話しかけているのだと気づいてもらいやすくなります。
興味は人それぞれですが、必ずと言っていいほど強く人を惹きつけるのは、自分の名前です。相手の名前を呼ぶことで、呼ばれた人はほぼ確実にこちらに目を向けてくれます。
カクテルパーティ効果はデジタルマーケティングで効果を発揮しやすい心理効果といえます。
ECサイトなどのデジタルサービスの領域では、ユーザーの行動履歴や興味のある分野などのデータを活用したターゲティングが行われますが、その際に、ユーザーが「自分のことだ」と意識を向けやすくなるような施策に、カクテルパーティ効果の考え方が役立ちます。
※心理学の作用は、マーケティング企画が必ず成功するなど、すべての人の行動に当てはまるものではありません。多くの効果にはその逆に当たる現状がと存在します。あくまでも、マーケティングの施策を検討する際の一つの考え方・方向性として活用してください。
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