ウィンザー効果

第三者の意見を信用する心理効果「ウィンザー効果」をマーケティングに活用する際に知っておくべきことを、活用例とともにまとめます。


ウィンザー効果とは


ウインザー効果の意味

ウィンザー効果とは、第三者の情報を信じる心理

ウインザー効果とは「利害関係のない第三者が発信した情報は信憑性が増す」という心理効果です。

 

多くの人は、ある情報について、その情報で利益を得る人や何か目的を持っている人が発信する内容には、嘘があったり、誇張されていたりするものだと考えます。

 

例えば、商品を売るために発信されている情報は、イイことを強調していると捉えるでしょう。

 

そこで逆に、「その情報に利害関係が無い人」が言っていることなら、嘘がないだろうとして、信用したくなるのです。

 

例としては、人から面と向かって褒められれば「お世辞やご機嫌取りかな」と思うこともあるかもしれませんが、「あなたがいないところで褒めていた」と人から伝え聞くと、より嬉しくなる経験が誰でもあることでしょう。

 

他には、メーカーの宣伝文句よりも、身近な友人が使った感想の方が本当のことだと感じるでしょう。

 

このように、情報源の本人よりも、外部の人からの情報の方を信じる心理が、ウインザー効果です。

 

ウィンザー効果の名称の由来は、小説のセリフ

 ウィンザー効果の名称の由来は、アーリーン・ロマネスの小説『伯爵夫人はスパイ』の中に出てくるセリフです。

登場人物のウィンザー伯爵夫人が「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ、忘れないでね」と言ったことから、”ウインザー”の名が取られています。

 


ウィンザー効果をマーケティングに活用するには


ウインザー効果のマーケティング活用 誰が言うか

同じことでも語る人によって信用度は変わる

ウインザー効果は、商品やサービスの訴求について多く活用されています。

 

商品の購入を検討する時、その商品の優れた点とそれが本当なのかどうかは、誰もが知りたいことでしょう。

そんな時、販売主が発信する広告や販促ツールよりも、第三者の立場にあたるメディアやインフルエンサーが発信する情報のほうが信頼される傾向にあります。

 

合わせて、その「第三者が誰であるか」がとても重要です。

 

誰もが様々な情報を手に入れられるようになった現代では、情報そのものの優劣や信憑性は判定しにくく、人は「誰」が発信した情報であるかによってその情報の確かさを判断するようになっています。

 

いわゆる「何を言うかよりも誰が言うか」です。

 

情報を発信する第三者が、”よくわからない人”、”信用できない人”、”自分が嫌いな人”だと、ウィンザー効果はあまり発揮されません。

この人が言うことなら信用できる」「この人には利害関係がない」と思われる人(機関、メディア)が発信することで、ウインザー効果は最大の効果を発揮します。

 



ウィンザー効果を活用したマーケティング施策例


ウインザー効果をマーケティングに活用するには、「消費者に信頼される第三者からの情報を、どこでどのように発信するか」が重要です。

基本的には、ユーザーやインフルエンサーによって発信される情報(ネタ)を増やすことが手法になります。 

ユーザーレビュー

その商品を購入した人のレビューをサイトやPOPなどに掲載する方法です。

消費者は、レビュー情報に対して、実物を利用した人の意見として、「広告とは違った情報が得られる」と期待します。

現代では、ネットショップなどのレビュー機能は、消費者にとって基本機能であり、かつ基本のマーケティング施策としても受け止めれられているでしょう。

ただし、レビュー特典やアフィリエイトなど、レビュー者にとってのインセンティブがあることが強く感じられると、そのレビューコメントの信頼性は低下します。

 

プレスリリース(パブリシティ活動)

雑誌やTVなど各マスメディアに取り上げてもらうために、ニュースソースとして情報を発信する方法です。マーケティング界ではパブリシティ活動と呼ばれ、昔からある最も基本的な手法です。

基本的には無料で、情報の内容もメディア側に裁量権があります。「メディアが自主的に掲載・報道する情報=企業が依頼する広告ではない」ということが信頼性に繋がります。

またメディアに一定の読者(視聴者)がファンとしてついている場合には、発信者がメーカーなどの販売元であるよりも訴求力が強まるメリットがあります。

 

雑誌等の編集タイアップ記事(ペイドパブ)

前述のパブリシティとは別に、雑誌などが「純広告」ではなく、編集部が企画・制作する「有料記事」として発信する手法です。編集部の意向が反映されることで、その雑誌のテイストが加味され、雑誌の読者から支持されやすくなります。

一般的には「ペイドパブ(PR広告)」と呼ばれ、「広告メディア料+製作費」としてかなり高額料金が発生し、利益関係がないとは言えません。

さらに現在は、ペイドパブにはページ内に「広告」の表示することが基本ルールとなってており、読者側が「企業の依頼記事なのか」「編集部の自主記事なのか」がわかるようになっています。この点では、実質広告扱いとなるので、ウィンザー効果とは言えないかもしれません。

しかし、記事の中でユーザーや著名人がその魅力を紹介したり、専門家の評価や客観データなどを示すこともでき、演出としては、読者に対するウィンザー効果を狙ったものにすることができます。

 

レビュー(口コミ)サイトへの掲載

「食べログ」や「@コスメ」のような、特定ジャンルのレビューを集めたサイトに自社の情報を掲載する手法です。

多くの第三者からのレビューが集められることで、自社への評価が同業他社と比べられ、単独で広告宣伝を行うよりも効果的である場合があります。

また、レビュー数が多くなると、バンドワゴン効果で評価が底上げされることもあります

 

インフルエンサーによる情報発信(SNS)

SNSから情報を収集する人には、「自分がフォローしているインフルエンサーや知人の情報を信じたい」というウィンザー効果が働きます。

また、見ず知らずの人であっても、その商品の関係者ではない人が発信しているものは、「利害関係がないのだから本当のことを言っているのだろう」と感じます。

そこで、ツイッターやインスタグラムなどのSNSで自然に取り上げられるような取り組みを行います。

具体的には

・インフルエンサーへの商品提供

・SNSユーザーのネタになりそうな話題づくり

などがあります。

 

一方、企業発信の情報をリツイートするとプレゼントが当たるようなリツイートキャンペーンなどは、利益関係のある人たちの情報拡散になるので、ウィンザー効果の利用とは異なります

 

インフルエンサーによる情報発信(YouTube)

近年はユーチューバーによる商品紹介が人気です。

これも他のインフルエンサー同様、商品を紹介するユーチューバーの人気や信頼度による影響を狙っていますが、視聴者の多くはユーチューバーの独自判断を求めています。

しかし、現在はユーチューバーが、再生数の他企業スポンサーも含めて「広告収入を得る」ことが広く了解されており、金銭などの提供がある場合は、多くがその旨を告知しています。

そのため、利益供与があったかどうかよりも、動画の内容や企画テーマなどが評価されれば、商品の高評価、関心アップに繋がることも多くなっています。

 

 


ウィンザー効果を利用する時の注意点


インフルエンサーのPRは信用されない?

第三者からの評価に信頼が高まるという作用は確かにありますが、商品レビューなどに代表される「商品の販売に関するマーケティング」となると、現代ではそのほとんどに、多かれ少なかれ「利益」が存在しています。

そして、多くの消費者がそれを認識しているので、純粋なウインザー効果を期待するのは難しくなっている現実があると思います。

 

「広告・宣伝」に強い抵抗を感じる消費者が一定数いるため、"広告色”を消す手法は長年工夫されてきました。

広告らしくない広告を狙う展開も多くありました。

その後、広告であることを隔そうとする手法はNGとなり、現在では記事広告などは「広告であること」を明記するルールが生まれ、広告であることがきちんとわかる体裁であることが大切になっています。

 

しかし、情報化社会となった今では、たとえ広告の体裁でなくとも「利益の授受がある」と感じられることも多く、むしろ広告であることを隠すような行動をすれば、低評価に繋がったり、炎上となることすらあります。”ヤラセ”や”ステマ(ステルスマーケティング)”の問題です。

 

このようなことからウインザー効果は、意図的に効果を狙う施策として実行するよりも、自然発生した口コミや自発的な著名人の推薦などに感謝するものとして捉えた方が賢明でしょう。

 


ウィンザー効果を深く学ぶための本


ウインザー効果をより詳しく学びたい方におすすめするのは、心理学の本よりも「口コミ効果」「SNS・インフルエンサー効果」に関する本をおすすめします。

特に、マーケティングに関する場面での活用であれば、まず情報伝播の仕方や効果について学ぶ必要があります。

 



ウィンザー効果と合わせて知っておきたい心理学


印象を操作する心理学

ハロー効果
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初頭効果
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行動に影響する心理学

同調効果
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社会的証明の原理とバンドワゴン効果
社会的証明の原理

目的別の心理学のまとめ

販促に役立つ心理学


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