社会的証明の原理とバンドワゴン効果


商品のレビューを参考にしようとして、その内容よりもレビューの数を意識してしまうことがあるのではないでしょうか。少数の人の意見よりも、多数の人の意見の方がより正確なデータになると考えることもあるでしょう。

ここでは「人は多数の他人の評価を信じてしまう」という社会的証明の原理が働いていると考えられます。そして、「社会的証明の原理」の作用によってさらに多数が多数を呼ぶ「バンドワゴン効果」が生じてきます。

ここでは、社会的証明の原理およびバンドワゴン効果のマーケティング活用についてまとめます。


社会的証明の原理とバントワゴン効果とは


社会的証明の原理(バンドワゴン効果)とは

「社会的証明の原理」とは社会心理学で使われる用語で、自分の判断よりも“社会の多数である他人”の判断を信じそれに従った行動をしてしまう心理を指します。

 

たとえば、”行列のできている飲食店が美味しいのだろう”と、”たくさんの人が購入している商品が良いものだろう”と評価してしまうことです。そして、自分が購入する時には、その評価を元に判断し、多く人と同じものを購入してしまいます。

 

社会的証明の原理と同じような意味で使われる言葉に「バンドワゴン効果」があります。

バンドワゴン効果は行動心理学での言葉で、前述の社会的証明の原理の作用によって、多数の意見がさらなる多数を呼び、その評価が増長していく効果のことです。

 

 

購買シーンでは、“みんなの評価”が連鎖してヒット商品となるというような現象があります。これがまさに、バンドワゴン効果が働いている例です。

 

 

 

※「バンドワゴン効果」の名前の由来

バンドワゴンとは、パレードの先頭を走る楽隊車のこと。そこから、有利な方の味方をしたり、多数派や集団に同調したりする行動のことを「バンドワゴンに乗る」など表現することもあります。

 

【類似の心理ワード】

 ▶同調現象

 



社会的証明の原理をマーケティング活用するには


社会的証明の原理(バンドワゴン効果)をマーケティング活用するには

マーケティングにおいて、「社会的証明の原理」を活用する場合は、その商品が「どのような特徴があるのか」「どのように優れているのか」など、そのメリットや優れた特徴をそのまま伝えるよりも、「どのくらい多くの人に支持(利用)されているか」を実績として訴求します。

「商品の特徴や利点で自分で判断するよりも、多くの他人がどのくらい評価しているのかという結果で判断したい人が多い」というのが、社会的証明の原理の考え方です。

 

実際に、評価が賛否両論に分かれていても、全体数として多くの人が利用・体験しているという事実があると、購入などのアクションには繋がりやすいとされています。

 

この流れが増長し、自ら「多数派の流れに乗りたい」と思う人も生まれてくると、多数派を支持する人たちがさらに集まり、バンドワゴン効果が発揮されるという流れです。

 

例)

・「レビューの評価値」よりも「レビュー実数が多い」商品の方が購入されやすい。

・並んで陳列された類似商品は、「在庫が少ない」方が購入されやすい。

 

 


社会的証明の原理のマーケティング活用例


購入者レビューの”数”を表示

購入者レビューを掲載する例は多くありますが、レビューの評価ポイントよりも、レビューの”数”の多さの方が、購入を後押しする効果は高くなります。

例えば、1人の購入者が★5をつけている商品よりも、100人の購入者が★4をつけている商品の方が安心できるという例です。

 

ECサイトでの購買状況の表示

ネットショップなどで、「すでに〇人が購入しました」「現在〇〇人がこのページを見ています」「残り〇個です」などの文字が表示されることがあります。「人気の商品だ」と思わせることに加えて、「急がなきゃ」という気持ちから購買決定を早める効果も狙っています。

予約注文のサイトなどで「只今混み合っています」という混雑状況を知らせる文言をつけることで注文が増えるという実例もあります。

 

販売実績を記載した商品POP

「在庫僅少」「今、売れてます!」「ベストセラー」などの商品の売れ行きをアピールするコピーを、商品のPOPツールや商品紹介情報内で表記します。

具体的な販売数などの数字がなくても(あればなお良いですが)、「売れている」という情報でだけで、安心して手に取りやすくなります。

 

 


Planner's Column

情報化社会こそ、バンドワゴン効果が起きやすい。


情報は個人が自由に検索して得られるようになり、価値観も多様化したと言われています。

しかしSNSが発展した環境の中、”バズる”と表現されるような「拡散」、批判や中傷が集中する「炎上」など、一つの情報に多くの人々が反応する状況は頻繁に起こっています。

個人が自由に情報が選択できる時代になったように思われても、実は、情報の偏りが加速する現象も多くなりました。

 

・リツイート数が多いものがさらにリツイートされる

YouTubeで多くの再生回数を記録した動画がおすすめに出る

・ネットニュースのコメントが一方向に偏る   など

 

いずれも、コンテンツ自体の力もありますが、それに加えて、「多くの人が注目している」ということに興味を持ち、「注目の話題を知っておきたい、乗り遅れたくない」という心理から、そのコンテンツに反応し、さらに情報が拡散していきます。

 

ネット上のコメントやレビューなど、情報発信をしている人は決して多数ではありませんが、それを総意のように感じる人は多くいます。

その意見を目にした人が、多数派の意見を信用したくなり、多数派に乗った行動を起こしていくのがバンドワゴン効果です。

 

現代ではSNSなどの発展によって、情報の発信側も受信側も多様化しましたが、多数が多数を呼ぶ心理がある以上、情報の一方向への加速性は変わりません。

日本国内でのマーケティング(主に販売促進)では、”多数派の支持を獲得する””多数派につく”という方向性は、意識せざるを得ないでしょう。