5Gは、より速く大きなデータを通信できる、新しい通信規格。スマホを中心とした様々なデジタルサービスを進化させる技術基盤と考えられています。
5Gが普及することは、ビジネスから個人の生活まであらゆる場面に影響を与えるものですから、それによってマーケティングの施策や考え方にも変化が訪れることになります。
5Gは、日本語では「第5世代移動通信システム」と表記される最新の通信規格です。
1Gは1980年代に初めて携帯電話が登場した時代のもの。その後、2G、3G、4Gと進歩し、今5Gに到達しています。
5Gは、4Gと比べてさらに速く、大容量のデータを遅延なく通信でき、多くの機器と接続可能になるとことで、社会のDX(デジタルトランスフォーメンション)を進化・実現させるために欠かせない技術基盤とされています。
アメリカ、韓国など世界19ヵ国が2019年に商用サービスをスタートしていましたが、それに約1年ほど遅れて、日本は2020年3月から商用サービスが開始されました。
大容量・超高速な通信が可能
5Gは、今まで以上に大容量で高速な通信が可能になります。容量の大きなデータのやり取りが短時間でできるようになり、高画質動画やVRなどのライブ配信をよりスムーズに実行できるようになります。4Gとの比較とは約20倍に速さを実現しています。
タイムラグが少ない
5Gには、超低遅延、つまりタイムラグを少なくリアルタイムでの動画を送受信できるようになります。遅延は、4Gと比較すると約1/10ほどになると言われています。これにより、遠隔での機械制御の性能が高まることが期待されています。
多数同時接続
5Gは、一度に接続できる端末の数が4Gの10倍ほどになっています。これは、都市部などの人口密集地域で快適な通信を実現することはもちろん、IoT(モノのインターネット)の普及に欠かせない機能です。
高画質動画の普及
大容量・超高速が可能になることで、8Kなどの高画質な動画コンテンツの数も増加します。
加えて、VR(Virtual Reality)や3D映像、マルチアングル映像がもっと気軽に楽しめるようになります。
動画視聴時間の増加
ニールセンの調査によると、2015年から2019年までの間にスマートフォンでの動画視聴時間は4倍になっています。2020年以降も、動画の視聴時間は増加傾向にあります。
ライブ配信の増加
5Gでタイムラグが小さくなれば、音声や映像をほぼリアルタイムでやり取りできるようになり、ライブ配信の質も向上します。配信者にとってもライブ配信はより気軽なものになるでしょう。結果として、ライブ配信コンテンツは一層の増加していくと考えられています。
今後は社会の様々な産業界で5Gを新たなインフラとする動きがすすみ、マーケティング業界にもその影響は及ぶことでしょう。
5Gによって、高画質の動画広告が技術的に配信可能になることはもちろん、低遅延と同時多接続という特徴によって実現する、新たな広告配信手法の確立も期待されています。
5Gは、動画コンテンツをユーザーがストレスなく視聴できるようになることで、動画広告の質や量を大きく進化させると考えられています。
アメリカにおけるモバイル動画広告は、今後5年で3倍以上、2028年には今よりも5倍以上に成長すると予測される巨大市場です。
5Gによって「リアルタイムでの情報収集、行動・感情分析」などが行えると、広告に対するユーザーの反応をすぐに察知することができ、即座にユーザーに最適な内容を提案することが可能になります。
また、個人のデバイスだけでなく、公共の場や店舗のスクリーンなどでも、買い物客が店内のどの位置にいて、カートに何が入っていて、他に何が必要かを予測して、よりパーソナルな広告表示やセールスプロモーションが展開されます。
今後スマホを通したモバイルショッピングは今後もますます活性化すると予測されてます。
モバイルEC市場において5Gが実装されると、コンテンツの遅延などのエラーから発生するユーザーの離脱は解消され、リアルタイムの顧客行動の分析や顧客に合わせた対応なども可能になります。消費者にとってもより買いやすいモバイルショッピングが実現します。
5Gによって急成長すると見込まれているのがVR・ARの分野です。
よりスムーズに、「没入感のある拡張現実や仮想空間」を提供することができ、XR(クロスリアリティ:仮想空間と現実世界を違和感なく融合する技術)によって現実と仮想世界の境界線がわからなくなる技術などへ進化していくと見られています。
AR・VRコンテンツをマーケティング活動に利用する企業が今後増加すると見込まれています。
1G(1980年代)
アナログ方式の初代携帯電話が登場した時代です。車用やショルダーフォンなどが登場しましたが、まだまだ携帯するには、大きく、重く、高額なものでした。
2G(1990年代)
デジタル方式の通信で文字の送受信が行えるようになり、電子メールやWEBサイトが利用できるようになりました。
3G(2000年代)
より高速・大容量のデータ通信が可能となり、ゲームや音楽再生など、携帯端末でさまざまなコンテンツを利用できるようになりました。また、携帯端末で画像を撮影してメールに添付できる機能が実装されたのがこの頃です。
4G (2010年代)
スマートフォンが誕生しました。多種多様なアプリ、大容量のコンテンツがストレスなく稼働するようになり、GoogleMapやFacebookやInstagramなどのSNSなどが誕生しました。ここから10年でスマートフォンは一気にシェアを拡げました。