炭酸飲料の持ち歩きを可能にした保冷ボトル水筒がブレイク

2022年のヒット商品のひとつに、炭酸飲料を冷たいまま持ち運べる「炭酸飲料対応ボトル」があります。

日経トレンディの特集「2022年ヒット商品ベスト30」では6位に「炭酸飲料対応ボトル」が選ばれるなど、各メーカーから発売された商品が次々とヒットし、炭酸対応ボトルは市場として大きく伸長しているようです。

今日は、マーケッターやプランナーの方が知っておきたい、人気メーカーの商品や炭酸対応ボトルの利用シーンなどをまとめます。

 


炭酸水筒はなぜ今ブレイクしたのか。潜在需要にはまった炭酸水筒


みんなが水筒を持ち歩く時代

近年は、健康やSDGs、節約などの観点から、若年層を中心にマイボトルを持ち運ぶスタイルはかなり浸透していて、スポーツや旅行以外に、毎日のオフィスや学校で使うことを目的とした様々な水筒が発売されています。

 

炭酸を水筒に入れたいというニーズが大きくなっていた

近年は炭酸水市場も拡大していて、甘い清涼飲料水以外にも欧米のように水やお茶の代わりに炭酸水を飲む人もふえつつありました。また、アウトドアブームで、ビールなどの炭酸入りアルコールを保冷して持ち運ぶ機会が増えた人も多かったでしょう。このように炭酸飲料の需要増の中、各人が自分の好みのドリンクを持ち歩きたいという個のニーズ大きくなっていることも近年の社会環境から想像できることでしょう。しかしこれまでは安全性の観点から、それら多くの水筒は炭酸飲料を入られることは推奨しておらず、需要を満たす商品が足りていなかったと言えます。

 

大手メーカーからの参入

炭酸を持ち歩きたいユーザーが増加している中、有名な大手メーカーが今までの自社製品で培った技術力を反映させた“安心”で“高性能な”炭酸対応ボトルを発売したことが、多くの人の潜在需要層を捉えました。

 

炭酸飲料ブーム

全国清涼飲料連合会の調査によると、国内における炭酸飲料の生産量はここ数年好調に推移しています。「コロナ禍では健康志向の高まりやストレスによるリフレッシュニーズなどで無糖炭酸飲料の需要がさらに増加。ウイルキンソンを販売するアサヒ飲料では、「今後は欧米のようにミネラルウォーターと同程度の飲用経験率まで伸びて市場規模も拡大すると見込んでいる」とのこと。

 


タイガー 真空断熱炭酸ボトル


まず、2022年のブレイクの立役者といえるのが、タイガー魔法瓶から「真空断熱炭酸ボトル」。発売直後から話題となり、予約販売の段階で計画予約本数の約5倍を販売したそうです。3カ月後には出荷数10万本を達成、目標も当初の3倍に当たる30万本に上方修正しています。

タイガー「真空断熱炭酸ボトル」のために開発された、炭酸飲料対応せん構造「BubbleLogic(バブルロジック)」には、タイガーの圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉の技術が応用されています。

さらに、内面の凹凸を少なくして汚れやニオイをつきにくくする「スーパークリーンPlus加工」が、炭酸の気化を抑えることに役立っています。


サーモス 保冷炭酸飲料ボトル


国内メーカーでタイガーの競合と言えるのがサーモス。サーモスは、実は22年前となる2000年に炭酸対応ボトルを発売しています。しかし、この時はそれほど売れずに2004年に終売。その後、現在の炭酸飲料ブームに合わせて2018年から再度開発をスタートし、タイガーから約1年遅れての20223月に22年ぶりの再発売を迎えました。こちらも評判は上々です。

(※)サーモスはドイツ発祥のブランドですが、現在日本でサーモス製品を製造販売しているのでサーモス株式会社で日本の会社です。


レボマックス


アメリカ発のブランド「REVOMAX」は2015年設立のブランドで、当初から炭酸も入れられる真空断熱構造のボトルを発売しています。「保冷36時間・保温18時間」という機能は保温・保冷ボトルの中でもトップレベル。

また、キャップの開閉がワンアクションで行えるところがポイントです。


各社製品の比較


タイガーとサーモスを比較レビューしているマトログさんのYouTube動画です。

レボマックス2とサーモス真空断熱スポーツボトルの保冷効果を比較レビューしている「minimini diarist」さんの YouTube動画です。


炭酸対応ボトルで水筒の利用スタイルも充実


今後は、炭酸飲料をいつでもどこでも気軽に飲めるようになります。

仕事中

オフィスでのデスクや休憩時などにも、炭酸を少しづつ飲むことができます。炭酸にはリフレッシュ効果を感じる人が多く、仕事の合間に飲む飲料としてもぴったりです。

 

運動やレジャー

保冷バッグやクーラーボックスのスぺースを使わずに、冷たい炭酸を持っていかれます。

タイガーの製品には、1.5リットルの大容量タイプもあるので、ビールをいれれば、みんなでシェアしてのむピッチャーとしても使えます。キャンプや海でのバーベキューなど、夏のアウトドアシーン活躍しそうです。

 

スポーツ観戦

スタジアムでは、缶やペットボトル飲料の持ち込みが禁止されている場合が多いため、マイボトルをもっていく方もいるでしょう。ビールを含み、冷たいまま持ち込める炭酸飲料は、スポーツ観戦のお供にも最適です。


プロモーションツールとして


水筒は、プロモーションのツールとしてもよく使われるアイテムですが、炭酸対応ボトルなら、炭酸飲料やビールのキャンペーン景品、企業やブランドのノベルティとしても活用されることが増えそうです。



コトモノニュース
企画のネタにも活用したいトピックやニュース