
プラントベースミート(plant based meat)とは、大豆などの植物性の原料を使用し、動物性の肉に味や食感を近づけた食品のこと。フェイクミート、ベジミート、大豆ミートなどとも呼ばれることがあります。
原料としては大豆が良く知られていますが、エンドウ豆やグルテン、その他に新しい植物原料も研究されています。
食料問題への関心や健康意識の高まりなどを背景に、世界は大きく拡大している市場で、日本でもスーパーなどでも購入できる商品が増え、より身近な食品となっています。
ここでは、近年のプラントベースミートに関するトピックスや新製品などを紹介します。
代替肉にJAS規格が制定

2022年2月24日、大豆ミート食品類の日本農林規格(JAS 0019)が制定された。
今回の規格は、大豆タンパク、脱脂加工大豆などを肉にみたて加工したもの(=大豆ミート)を主な原材料に使用した加工食品が対象。
その中で、 「大豆ミート食品」と「調整大豆ミート食品」を区別することで、大豆ミート=植物性のみ・ヴィーガン食品との誤解を防ぐことができる。
大豆ミート食品の基準
・動物性原材料を一切使用しない食品
・アミノ酸スコアが100であること
・大豆タンパク質含有率が10%以上であること
調製大豆ミート食品の基準
・卵や乳、動物由来の調味料に限り使用を認める食品
・大豆タンパク質含有率は1%以上
要件を満たし第三者機関に認められると、JASマークを商品の包装に表示できます。
PBMに関する調査
大豆ミート食卓白書

料理SNS「スナップディッシュ」を運営するスナップディッシュ株式会社と、大豆ミート商品を展開するメーカー6社+2団体が共同で推進する「肉の日に大豆ミートプロジェクト」が大豆ミートの利用調査を実施。
調査概要
・調査対象:SnapDish登録ユーザーにメールとアプリ内通知にて回答を募集
・調査期間:2023年4月18日~4月24日
・回答人数:921名
▶詳しい調査結果「第3回大豆ミート食卓白書」は無料ダウンロード可能。
代替肉についての意識調査(2022)
「代替肉」についてLINEリサーチが行った、現在の代替肉の認知率、利用率、今後の流行予想などについての調査。
<調査概要>
調査対象:日本全国の18~59歳男女のLINEユーザー(スマートフォンWeb調査)
実施時期:2022年1月19日~2022年1月21日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック

全体で84%が知っていると答えていることから、代替肉の認知率はかなり高い。
年代別で認知がもっとも高いのは30~50代女性で9割弱。

「代替肉を利用している人が、現在身の回りにどのくらいいると思うか」の問いに対して、流行体感スコアは全体で11.0。
※流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値。
PBMのイベント・フェア
専門展示会「プラントベースマーケット」

2023年9月1日~3日、朝日新聞社が主催するサステナブル・ライフスタイル・イベント「GOOD LIFE フェア 2023」内において、プラントベース食品の専門展示会「プラントベースマーケット」が東京ビッグサイトで開催される。
・プラントベース商品を展開する企業・団体などのブースで構成
・プラントベースやヴィーガンの普及・発展に貢献した個人や団体を表彰する「JAPAN VEGAN AWARDS 2023」の授賞式も開催。
プラントベースマーケット開催概要
会期:2023年9月1日(金)~3日(日) 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会場:東京ビッグサイト東2・3ホール「GOOD LIFE フェア 2023」内
規模:70社、90ブース 来場者予測:5000人
主催:朝日新聞社
企画協力:日本プラントベース市場協会
飲食店でのPBMメニュー
SDGsの観点を意識する企業も増え、外食業界では、代替肉である大豆ミートを使った商品を開発することがSDGsの取り組みの一つと捉えられている。
ワタミグループ(2023)

ミライザカ「CHANGE ONE MEAL」 フェア
ワタミ株式会社が展開する『ミライザカ』にて、オーストラリア№1プラントベースミート「v2food」を使用したメニューを、2023年3月9日(木)~5月10日(水)までの期間販売。
キャンペーンは、第1弾がクーポンの配布、第2弾は限定オリジナルランチバックをプレゼント。
イオングループ(2022-2023)

(株)イオンハートが運営する『おひつごはん四六時中』『ごはんカフェ』にて、「大豆ミート」を使用したメニューが2022年2月1日より期間限定で販売される。
『おひつごはん四六時中』では「大豆ミート」をかつおだしと生姜の特製たれで仕込み、だし茶漬けで締める当社自慢の「おひつごはん」の食べ方が愉しめる商品、また『ごはんカフェ』では大豆ミートにデミグラスソースを加えコクとマイルドな味わいを引き出したハヤシライスを提供。
■実施店舗
『おひつごはん四六時中』76店舗
『ごはんカフェ』 30店舗
■販売期間 2022年2月1日(火)~ 3月1日(火)
ネクストミーツ×渋谷肉横丁(2021)

フードテックベンチャーの「ネクストミーツ」と、都内最大級の肉をテーマにした複合飲食店施設「渋谷肉横丁」がコラボ。
「NEXT肉横丁」と題して2021年11月29日(月)のいい肉の日より、渋谷肉横丁の各店でネクストミーツが扱う代替肉を使用したメニュー全29品を提供。
ネクストミーツについて
「地球を終わらせない。」を理念として掲げ、気候変動問題に立ち向かうべく事業活動を進めるフードテックベンチャー。
2017年から共同創業者2名が研究を始め、プロダクト完成の2020年6月に法人化、2021年1月には米国のOTCBBに上場を果たす。「気候変動問題は日本だけでは解決できない」との視点からアメリカ、シンガポール、ベトナム、台湾、香港など10を超える国・地域に進出している。
世界初の焼肉用フェイクミート「NEXT焼⾁」シリーズ、100%植物性の⽜丼「NEXT⽜丼」や、鶏肉タイプの代替肉「NEXTチキン」などをこれまでに販売。ユーグレナとのコラボ商品発売や、亀田製菓とのコラボ商品企画、また吉本興業とのパートナー提携発表など異業種の企業とのコラボレーションも進めている。2021年3月には、世界のVegTech企業21に日本企業として唯一選出された。