
「キリン 生茶デカフェ」の商品名・味覚・パッケージデザインを全面的にリニューアルし、「キリン 生茶 カフェインゼロ」として6月7日(火)より全国発売されます。
2022年リニューアルのポイント
これまでは“デカフェ”の名所を“カフェインゼロ”に変更し、よりカフェインの少なさ(※)を強調しています。(※100ml当たり0.001g未満をカフェインゼロと表記)
カフェインを完全に抑えたい人が安心して手に取ることができるようになります。
味覚について
・生茶葉のあまみとすっきりとした味わいで「カフェインゼロでもおいしい緑茶」
パッケージについて
・緑茶の品質感と「生」ならではの新鮮さを表現
・リサイクルボトルを100%使用していることを示す「R100」マークのデザインを刷新
「紫綬褒章」受章につながった「カフェインクリア製法」
従来の茶葉からカフェインを溶出させる方法では、茶の香りや味わいも失われてしまうため、茶葉からではなく茶抽出液からカフェインを吸着除去する技術に着目。
カフェインを選択的に吸着する天然由来の素材を見出し、「カフェイン除去」と「おいしさ」を両立する「カフェインクリア製法」を確立。
この製法における発明改良の功績を認められ、令和3年春、キリン商品開発研究所副所長の塩野貴史氏は紫綬褒章を受章しています。
生茶カフェインレスのあゆみ
緑茶飲料として人気のあった「生茶」のカフェインレスは、実は8年前からあります。
2014年に世界初のペットボトル入りカフェインレス緑茶として発売し、以降、「デカフェ」の名称を使っていた時期も長くありましたが、2022にはまた「カフェインゼロ」の名称を使うことになっています。
2014年4月:「キリン やさしさ生茶 カフェインゼロ」新発売
2015年4月:「キリン カフェインゼロ生茶」にリニューアル
2017年5月:「キリン 生茶デカフェ」として新発売
2019年6月:「キリン 生茶デカフェ」に“R100ペットボトル”を採用
2020年7月:「キリン 生茶デカフェ」リニューアル
2022年6月:「キリン 生茶 カフェインゼロ」として新発売
生茶は環境CSVのフラッグシップブランド
2021年より「生茶」ブランドを環境のCSV(Creating Shared Value:共有できる価値の創造)フラッグシップブランドと位置付けています。
再生PET樹脂を100%使用した「「R100ペットボトル」の導入拡大やラベルレス商品によって、「人にも環境にもやさしいカフェインゼロの緑茶」として「生茶」ブランドのCSVを推進しています。
カフェインレス市場は2025年に130億円規模に
MDB Digital Searchによると、デカフェ飲料市場は今後も拡大傾向と推計されています。
(調査対象は、コーヒー、緑茶、紅茶のPETボトル入りデカフェ飲料)

デカフェ飲料市場 調査サマリー
・2025年度のPETボトル入りデカフェ飲料市場は約130億円となる見込み。
・デカフェは、茶やコーヒーなどのように本来カフェインを含む飲料から、カフェインを除去したものである。
・デカフェ市場は妊娠中や授乳中の女性からの需要を基盤に成長。
・近年は質の良い睡眠をとる目的など、カフェインの摂取量をコントロールする新たな需要が広がる。
・カフェイン除去技術の進展や焙煎・抽出の工夫などにより風味が向上し、味覚の面からも訴求を強める。
今後のデカフェ市場への期待
健康志向の高い欧米ではデカフェは広く普及していますが、日本でデカフェ飲料が史上に広まってきたのは2010年代以降とみられます。
2011年にデカフェのボトル缶コーヒー飲料が販売開始され、2015年前後からは各飲料メーカーがPETボトルのデカフェ飲料を発売しています。
当初、デカフェ飲料は通常のカフェインを含む飲料と比べて味や香りの面で劣るというイメージがありましたが、「キリン生社カフェインレス」の例にもあるように、カフェイン除去技術の進展や焙煎・抽出の工夫などにより風味が向上し、メーカーは健康面だけでなく味覚の面からも訴求を強めています。
健康意識の高まりを背景に、今では、妊産婦や乳幼児、高齢者だけでなく、「質の高い睡眠をとりたい」「カフェインの量や摂り方を自分でコントロールしたい」など幅広いカフェインレスニーズがあるとされています。
特に近年は、若い世代でも「リラックス」「チル」「エフォートレス」などのキーワードが挙げられるように、ゆったりしたい、緊張をほぐしたい、という心理的なニーズも多いのではないでしょうか。
また、技術の進展による味の向上が、デカフェ商品は美味しくないという先入観の払拭となることが期待されています。
今後の新商品も含め、拡大に注目したい市場の一つです。