シンボルの大観覧車を初め、VenusFort(ヴィーナスフォート)、MEGA WEB(メガウェブ)、Zepp Tokyo(ゼップトーキョー)などを中心とした大型商業施設パレットタウンが営業終了することが発表されたのは2021年7月。
その後、2021年12⽉31⽇にはメガウェブが、2022年1⽉1⽇にはZepp Tokyoが営業終了しまし、パレットタウンのメイン施設ともいえるヴィーナスフォートが、2022年3⽉27⽇に営業終了しました。
ヴィーナスフォートは、2022年3⽉27⽇に営業を終了
東京・お台場「ヴィーナスフォート」が、27日をもって営業を終了し、1999年8月の開業以来、22年半におよぶ歴史に幕を閉じました。
終了日当日の18時30分からは、パレットプラザで「フィナーレセレモニー」を実施。
清水寛館長が3階まで詰めかけた来場者と従業員への感謝の思いを伝えました。
館長の挨拶の最後には風船が舞い、「22年間ありがとうございました」との書かれた幕も掲げられました。
ビーナスフォートを含むパレットタウンの全終了は2022年8⽉31⽇
2022年8⽉31⽇に、パレットタウン⼤観覧⾞とデジタルアートミュージアム MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderlessが営業終了し、パレットタウン全体が閉館となります。
各施設の営業終了日
・MEGAWEB:2021年12月31日
・Zepp Tokyo:2022年1月1日
・ヴィーナスフォート:2022年3月27日
・パレットタウン大観覧車:2022年8月31日
・MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless:2022年8月31日
パレットタウンのあゆみ
パレットタウンの開業は1999年3⽉。
商業施設 ヴィーナスフォート、モビリティの体験型テーマパーク MEGA WEB、パレットタウン⼤観覧⾞、Zepp Tokyoなどを擁する複合型エンターテインメント施設として展開していました。
大観覧車は1999年の設置当時、高さ115m、リング直径は100mで世界一高さのある観覧車としてギネスを取得しています。
中世ヨーロッパの街並を模した屋内テーマパーク型ショッピングモールとして8月に開業したビーナスフォートは来館者数延べ約2億⼈。吹抜けの天井が、時間によって青空から夕暮れ、そして夜へと景観が変化するなどの演出も当時の話題となり、その後も非日常感は演出されている館内は、テレビのバラエティやドラマのロケなどにも多く利用されるほか、一般客の公開ウエディングも多く実際されていました。
2009年に東京23区内では初のアウトレット施設となる「ヴィーナスアウトレット」が新設し、通常店舗とアウトレットが同一施設に同居する初のケースとして注目されました。
2018年6⽉、森ビルとチームラボが共同で運営する「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」がオープンしました。
パレットタウン終了の経緯
1999年に開業したパレットタウンの用地は、東京都との借地権の契約期間が10年に設定されていたため、当初の予定では2010年6月までに施設全体を閉鎖し、都に土地を返還することとなっていました。
これは1990年代当時、バブル崩壊による不況や交通の便の悪さという悪条件が重なり、台場地区の売却先が見つからなかったことから、東京都が異例の廉価で土地の貸し出しを行ったためでした。
しかしその後、結果としてパレットタウンは成功を収めたため、撤去し更地にしてしまうことはお台場全体の景観を大きく変えてしまうことに繋がりかねず、利用者はもちろん都の幹部からも不満の声があがっていました。
そうした中、都は2008年パレットタウン用地を、森ビルとトヨタ自動車に814億円で売却すると発表。新たにオフィスや商業施設、コンベンション・ホテル一体型施設のほか、自動車をテーマとした参加体験型の展示施設、新型観覧車などが設置される複合施設を2013年に開業する予定となっていました。
しかしここでも、リーマン・ショックによる経済状況の変化などから、2009年時点で建設計画が延期、既存施設の営業が延長します。
そして新施設の開業は、2016年3月との合意がなされましたが、その後さらに開業が2024年以降に先延ばしされてきたのです。
幾度もの先延ばしを経て、ようやく、パレットタウン各施設の営業を順次終了することが発表されたのは、2021年7月21日でした。
パレットタウン跡地は、2025年に新施設がオープン予定
2020年3月末にトヨタグループの東和不動産が大型複合アリーナの建設計画を発表し、2025年を目処にアリーナや商業施設などを開業すると日本経済新聞が報じています。
2023年春に工事着工し、2025年6月頃に竣工予定。
新施設は、プロバスケットボールBリーグ・アルバルク東京のホームアリーナとしての機能をメインに各種イベントの開催も見込んだ多目的アリーナになる予定で、付近には商業施設も計画されています。
平成のお台場のシンボルだったビーナスフォート
2022年の春の訪れとともにに、ビーナスフォートとはお別れとなりました。
夏には、東京らしい景色が一望できる大観覧車も見納め・乗り納めです。
ビーナスフォートおよびパレットタウンの閉館は、2000年代のお台場のキラキラした雰囲気とともに青春時代を過ごしたアラフォー世代にとっては、2022年の感傷的な出来事の一つとなりそうです。