
週刊新潮は、10月7日号(9月30日発売)をもって、中吊り広告を終了します。
最後の中吊り広告となる号には特別企画も。
昭和31年(1956年)に創刊された週刊新潮は、昭和35年(1960年)には中吊り広告を掲出していることが確認されており、約60年間続いてきたことになります。
しかし時代とともに人々のライフスタイルは変化し、スマートフォンの普及、ホーム上のキオスクなど駅構内の売店の減少などで、電車の乗客が電車内で広告を見て、すぐに雑誌を買うという購買効果が薄れてきたと判断されました。
中吊り広告終了後は、週刊新潮のニュースサイトである「デイリー新潮」への記事の供給を質量ともにより充実させるための取材増強などを図るとのことです。
中吊り広告が掲出される最後の号となる「週刊新潮10月7号」では、連載陣である五木寛之さん、北方謙三さん、古市憲寿さんの中吊り広告に対しての特別エッセイが掲載され、カラーグラビアのコーナーでは、「『中吊り広告』のある風景」と題し、過去、世間を大いに騒がせ、世の中を動かした週刊新潮の中吊り広告が紹介されます。
雑誌の中吊り広告はなくなるの?
8月26日発売号をもって同じく中吊り広告を終了した「週刊文春」に続いて、大手週刊誌が中吊り広告を終了します。
これからの中吊り広告(および車内広告)はどのような変化を遂げるでしょうか。
東京メトロの中吊り広告の価格(定価)は、全線 計3300枚 B3 2日間で 約250万円です。(※地下鉄の広告は他車内広告よりも価格は高く、また実際の取引では定価からの割引や様々なセット価格などがありますので、この価格はあくまで定価であり実行価格ではありません。)
紙媒体としての週刊誌の売上からみて、電車の中吊り広告は宣伝コストとして見合わないものになっているのは明らかでしょう。特に、発売告知広告として短期掲載というのも現時点では中吊り広告の特長と合っていません。
中吊りおよび車内広告自体がすぐになくなることはないでしょうが、今後は媒体価格は下がり、短期掲載よりも長期掲載向け、地域特化型の広告という性質が強まりそうです。