購買行動に影響する心理学


【目次】

  • 一貫性の原理
  • カクテルパーティ効果
  • 決定回避の法則
  • ミルグラム効果
  • 社会的証明の原理
  • スノッブ効果
  • バーナム効果
  • ウェブレン効果
  • 保有効果
  • 現状維持の法則
  • 損失回避の法則
  • マッチングリスク意識
  • 松竹梅の法則
  • テンション・リダクション効果

 

 

 

  • カリギュラ効果
  • フレーミング効果
  • 文脈効果
  • ストループ効果
  • シャルパンティエ効果
  • ディドロ効果
  • ブーメラン効果
  • ツァイガルニク効果
  • 返報性の原理
  • 認知的不協和
  • 両面提示の法則

とりあえず、意味だけさっと知りたい方はこちらから。

各心理効果をさらっと説明


一貫性の原理

人は「自分の態度や言動に一貫性を持たせたい」と思う心理現象です。

販促のシーンでは、顧客に「イエス」と答えたくなる質問を繰り返すことで購買へ誘導した際にも「イエス」と答えようとするようになることを狙うことができます。

主に販売員のセールストークや説明ツールなどに活用されています。

 

 

 

カクテルパーティ効果

自分に必要な事柄や関係する事柄だけを選択して見たり聞いたりすることができる状況のこと。人にはもともとこのような習性があり、パーティ会場のようなうるさい場所でも自分に関する会話だけは聞こえてしまうような現象です。

マーケティングプロモーションでは、前述のバーナム効果と合わせて、商品の訴求コピーなどで活用できます。「自分のことだ」と感じさせることができれば、多数の他の商品と並んでいても、注目してもらえる可能性が高まるでしょう。

 

 

 

決定回避の法則

選択肢が増えると何を選んでよいのかわからなくなり、選択が困難になるという現象のことです。

販促プロモーションにおいては、伝えたいことや販売したい商品が多くあっても、「誰に」「何を」というターゲットをしっかりと抑え、特にWEBショップの場合は「1メッセージ1オファー」と言われるように、1つページには主目的の商品のみを扱うという考え方があります。店舗のPOPツールにおいても、訴求ポイントを明確し、複数のポイントや切り口がある場合はそのポイントごとに別のツールを作るようにします。

 

 

 

権威への服従原理(ミルグラム効果)

専門家や有資格者など社会的地位の高い人や権威ある人の言動に対して、それを正しいものと思ってしまう心理です。

コスメや健康食品などの宣伝で医師などの推薦があることで購入のハードルが下がるようになります。また専門家だけでなく、有名人などでも一定の効果を発揮します。

近年多いインフルエンサーマーケティングもこの原理を活用している施策といえます。

 

 

 

社会的証明の原理

自分の判断よりも他人の判断を正しいものとして、自分の行動を決めてしまう事をいいます。

「行ったことはないけれど、行列のできているレストランに並ぶ」「在庫がたくさんある商品よりも、残り一つの商品を選ぶ」など、多くの人が買っている、良いと判断しているものを良いものだろうと思う人は多いものです。

マーケティングプロモーションの視点では、「いいね!」の数や、インフルエンサーのおすすめなどがこの原理を影響します。

 

 

 

スノッブ効果

手に入れることが難しいほど需要が増し、手に入れるのが簡単なほど需要が薄れていくことを示しています。

実際には手に入れることが難しくはなくても、「今だけ」「数量限定」などのワードによって、「手に入れにくいもの、今を逃すと手に入れられない」などの認識を起こすことがあります。地域・数・期間などの限定販売によって、販促効果を高める施策に活用されます。

 

 

 

バーナム効果

誰にでも当てはまりそうな事を、あたかも自分にぴったり当てはまるかのように言われることで、「本当に自分の事を言い当てられた」と感じてしまうことです。

占いなどでもよく利用される手法です。

販促プロモーションの場面では、多くの人に当てはまることや思っていることを、一個人に向けて発信しているように表現することで、「自分のためにある商品だ」と感じてもらい、信頼感へと繋がります。ターゲットとなる多数へ向けての1対多数ではなく、「あなた」へ向けた、1対1の訴求を狙う手法として、キャッチコピーなどに活用されます。

 

 

 

ヴェブレン効果

ブランド品や高級レストランでの食事など、高価なモノやサービスを利用することを見せびらかしたいという「顕示欲」が高まることで需要が伸びる消費現象のことです。

高級ブランドを求める需要は、そのモノの物質的な価値だけでなく、「高級ブランドを手に入れた」という満足感を得ることからも生まれています。、他の人が持っていない(持てない)ものを手に入れたいという心理は、前述の「スノッブ効果」と逆の現象です。

 商品やサービスにブランド力がある場合や明確な需要があると判断した場合は、ヴェブレン効果を狙って思い切った値付けがされることがあります。

 

 

 

保有効果

何かが自分のものになった後、入手する前よりも価値を感じ手放したくないと感じる心理現象のことです。

なかなかモノが捨てられなかったり、長年愛用したものへ愛着で手放せなくなることが当てはまります。

通販の販促プロモーションで良く展開される「満足できなければ全額返金!」などの「返金保証制度」はこの心理を利用しており、購入して手に入れてしまった時点で保有効果が働き、手放そうとしない購入者が多くいます。返金保証で安心感による意思決定を促進するとともに、購入後は保有効果によって返金率は低くなるのです。

 

 

 

現状維持の法則

多くの選択肢の中から一つを選ぶという心理的な負担を避けるために、選択肢が増えても結局今までと同じか似たような選択肢を選んでしまうという行動のことです。

購入を検討している商品があったときに、目当ての商品以外の商品があっても、どれを選べばよいのかわからないため、今まで使っていた商品や知っている商品を選んでしまうことがあります。この法則が働くと購入意思のあったターゲットを逃してしまうことになるので、訴求方法やツールなどで対策することになります。

 

 

 

損失回避の法則

得をする選択肢よりも損をしない選択肢を需要と考えることです。

前述の保有効果「持っているものを手放したくない」という心理と、現状維持の法則である「変化を恐れて現状を維持したくなる」という2つの心理現象から、損をしない選択肢を選ぶことがあります。

この損失回避の法則をマーケティングに活用している例は「〇〇を使わなければ××になってしまう」など使わなかった場合のデメリット(損)をアピールする手法があります。

 

 

 

マッチングリスク意識

商品やサービスの購入時に考える購入後のリスクのことです。

「買った商品が自分に合わなかったらどうしよう」「満足できなかったら嫌だ」と代金を払おうとしているものに満足いく結果が得られるかどうか考えてしまう心理現象です。

価格が高い買い物ほどこのマッチングリスク意識がはたらきます。

マッチングリスク意識を減らすためには、

・時間をかけて関係を構築する

・レビューや口コミを集める

・サンプルやお試し期間を設ける

・返金保証やアフターサービスを充実させる

などがあります。

販促シーンでは必ず起こる消費者心理ですので、さまざまな手法で対策する必要があります。

  

 

 

松竹梅の法則

複数の選択肢があった時に、一番無難な選択をする傾向があるという心理現象です。

価格が3段階で設定されている場合、一番高い価格と安い価格ではなく、真ん中の価格がえらばれることが多いというのは心理学で解明されている有名な購買行動です。

「もっとも良いもの」を「もっとも安く」買いたいという感情から、ちょうど真ん中が選ばれやすくなります。本命の商品を中間の価格に設定し、その簡易版を安い価格、特典つきのものを高い価格、のように設定するマーケティング手法がよく見られます。

 

 

 

テンション・リダクション効果

購買時の決断や困難な目標を達成した直後に緊張が緩んだ状態になることをいいます。

テンション・リダクション効果が働いていると、次の購入への意思決定が緩くなり、追加で商品を購入しやすい状態になっています。

マーケティング手法では、関連商品をセットや追加で買ってもらうようにプロモーションする「クロスセル」と言われる手法にこの効果が関係しています。特に、車や住宅など高額の商品を購入した直後には、それよりも大きく価格の低い関連商品は購入の意思決定がしやすくなる傾向にあります。

 

 

 

カリギュラ効果

禁止されると逆にやってみたくなるという性質から生まれる心理現象です。

1980年公開の映画「カリギュラ」が過激な内容で上映禁止になったことがこの名前の由来です。例えば、WEB広告では「〇〇以外の人はこの先は読まないで下さい」などのコピーでクリック率を高める手法に使われています。

 

 

 

フレーミング効果

同じ内容の事でも表現を変えることで、受け手は違う印象をもってしまう現象です。

100人中10人が失敗する手術」と「成功率90%の手術」では後者の方が安心感は高まります。広告ではマイナス印象はプラス印象として表現することが基本です。

 

 

 

文脈効果

周囲の状況によって認識が変わる心理現象です。

すべてを説明しなくても、人はいままでの経験値から、状況によって捉え方や意味の違いを受け取れること多いものです。

マーケティングでは、女性向けの商品はピンクなどやわらかい印象の色やデザインで制作し、男性向けの商品はグレーやブルーなどのシャープな印象を与えるデザインで制作されるという例があります。同じ商品でも、ターゲットの性別や年齢、志向などに合った環境構成を心がけることが大切です。

 

 

 

ストループ効果

複数の異なった情報を受け取った時に、その情報を正確に処理するまでに時間がかかってしまうことです。

色や絵などの認識と文字での認識は脳の反応部分が違うため、ここで違和感があると脳が一瞬混乱して理解に時間がかかることがあります。

具体例としては、「赤」という文字が青色で書かれていたら、瞬間的に違和感が生じて「赤」と読むまでに少し時間がかかってしまうということです。人によっては混乱するデザインに不快感を示すこともあるかもしれません。

一般的なマーケティング施策において、情報を早く正確に理解してもらうためには、多くの人がすでに認識しているイメージに沿ったデザインや言葉を使う方がよいと考えられます。ただし例外として特に強調したい点に、わざと文字と色のイメージの矛盾を活用して、注目時間を長く確保するという手法も考えられます。

 

 

 

シャルパンティエ効果

大きさや重さの単位を変えることで、変える前よりも大きくみえる効果のことです。

商品での含有量に対して受け手の印象を変えることができるため、商品コピーではよく使われている心理テクニックです。

例えば、「ビタミンC1g」よりも「ビタミンC1000mg」の方が多くの量が含まれているような印象を受けるというものです。

他には「1日あたり〇〇円」のようにすることでコストが低くみえるというものもあります。

 

 

 

ディドロ効果

自分が気に入ったものを購入すると、その他も気にいった商品を同じ雰囲気のもので統一したくなる心理現象のこと。

気に入ったジョギングシューズを購入したら、ウェアもシューズと合わせて一式買ってしまうというような例が挙げられます。

販促のシーンでは、セット販売やシリーズ展開で商品を用意することで、リピーターやファンづくりを狙う手法があります。

 

 

 

ブーメラン効果

誰かを説得しようとすると、説得される側の人の態度が硬化して反発してしまうことです。

その原因は、説得される側の人が以下の5つの状態に当てはまる場合だと言われています。

①自分の立場や意見に対して強い責任感を持っている

②譲れないポリシーや価値観に関わる問題であった

③説得するということを予告されて身構えていた

④自分の嫌いな人に言われた

⑤押しつけがましい態度での説得だった

これらの内容は人間関係やビジネス交渉の場でも多く当てはまることですが、販促場面で考えると、商品やサービスを説明する時は「問題提起⇒共感⇒解決法」という手順で情報と伝え、信頼感を獲得しながらコミュニケーションすることが大切です。

 

 

 

ツァイガルニク効果

達成したことよりも、達成できなかったことや中断していることを記憶に留めやすいという心理現象です。

漫画やドラマなどの連載コンテンツをはじめ、CMなどで「続きは〇〇で」という表現でその後の展開を期待させるような手法で活用されています。

 

 

 

 

返報性の原理

人から何かモノを貰ったりサービスを無料で受けたりしたときに、「何かお返しをしないといけない」という気持ちになることです。

販促においては、試食販売やサンプル提供などによって「タダで貰ったのだから買わないといけない」と思わせる手法に活用されています。もちろん、商品の内容を知ってもらうことも大切な目的になっていますが、その後の購買ハードルが下がる効果が期待できます。

 

 

 

認知的不協和

人が自分自身の中で矛盾する認知を抱いたときに不快感を覚えることです。

この認知的不協和(不快感)を解消するために、人は「認知に矛盾しない行動をとる」または「新しい解釈や認知を追加する」という行動をとろうとします。

例えば、「痩せたいけど食べてしまう」という人は、「痩やせるためには食べてはいけない」という認知があるのに、「食べてしまう」という矛盾を抱えていて、その不快感(悩み、イライラ)を取り除きたいと考えます。

この不快感を取り除くためには以下の2つが考えられます。

①「痩せることをやめる」

⇒食べてしまうのだから痩せられない=痩せることをやめる。(認知に従う)

②「食べてしまうから痩せられない」という現実を否定する

⇒食べても痩せられるという別の認知を追加する。(新しい認知)

この②の心理を活用して、「食べた分のカロリーを吸収してなかったことにする」などの訴求を行うサプリなどが、認知的不協和を解消して購買のフックとしている例です。

 

 

 

両面提示の法則

メリットだけを紹介した時よりもデメリットも同時に紹介した方が説得力や信頼感が大きいというものです。 

消費者はきちんとマイナス点も説明されることで情報の発信者にたいして誠実さを難じます。広告の例では、バナナブランドのDoleの広告コピーで「ちょっと高いが、かなり美味しい」というものがあります。