バンドワゴン効果


バンドワゴン効果とは

バンドワゴン効果とは、他人の所有や利用が増えるほど需要が増加する効果のことです。

「みんなが持っているから自分も欲しい」「流行に遅れたくない」など、「多数=正しい、価値がある」と捉えてしまう心理(他者との同質化願望)から起こります。

 

バンドワゴン効果は、経済学・政治学・社会学など幅広い分野で起きている現象で、得にマーケティングの分野では多くの流行やヒット商品に影響しています。

 

「バンドワゴン効果」の名前の由来となっているバンドワゴンとは、パレードの先頭を走る楽隊車のことで、有利な方の味方をしたり、多数派や集団に同調したりする行動のことを「バンドワゴンに乗る」など表現することもあります。

 

 

【バンドワゴン効果の実証実験】

ソロモン・アッシュの実験

アメリカで活動した心理学者ソロモン・アッシュが行った同調圧力に関する実験があります。

答えを知っているサクラが含まれる被験者グループを設定し、サクラの間違った回答を聞いたあとに被験者が回答すると、サクラの回答を聞かなかった時よりも正解率が下がった、というもの。自分では少しおかしいと思っても、他人の回答に影響されて自分も同じ誤答をしてしまうのです。

自分の判断に自信がない時ほど、また、流行に反応しやすい人ほど、同調しやすいことも実証されています。



バンドワゴン効果をマーケティング活用するには

マーケティングにおいて、バンドワゴン効果を狙う場合は、その商品が「どのような特徴があるのか」「どのように優れているのか」など、そのメリットや優れた特徴をそのまま伝えるよりも、「どのくらい多くの人に支持(利用)されているか」を実績として訴求します。

人は、商品の特徴や利点で自分で判断するよりも、多くの他人がどのくらい評価しているのかという結果で判断したいと思う傾向があります。

 

さらに、実際の評価が賛否両論に分かれていても、全体数として多くの人が利用・体験しているという事実があると、購入などのアクションには繋がりやすくなります。

 

バンドワゴン効果が上手く機能すると、「多数の人に支持されているなら安心だ」と考える人が多いことはもちろん、消費者自身が「多数派の流れに乗りたい」と思う心理も働き、多数派を支持する人たちがさらに集まります。

 

例)

・「レビューの評価値」よりも「レビュー実数が多い」商品の方が購入されやすい。

・並んで陳列された類似商品は、「在庫が少ない」方が購入されやすい。

 

 


バンドワゴン効果のマーケティング施策例


購入者レビューの”数”を表示

購入者レビューを掲載する例は多くありますが、レビューの評価ポイントよりも、レビューの”数”の多さの方が、購入を後押しする効果は高くなります。

例えば、1人の購入者が★5をつけている商品よりも、100人の購入者が★4をつけている商品の方が安心できるという例です。

 

ECサイトでの購買状況の表示

ネットショップなどで、「すでに〇人が購入しました」「現在〇〇人がこのページを見ています」「残り〇個です」などの文字が表示されることがあります。「人気の商品だ」と思わせることに加えて、「急がなきゃ」という気持ちから購買決定を早める効果も狙っています。

予約注文のサイトなどで「只今混み合っています」という混雑状況を知らせる文言をつけることで注文が増えるという実例もあります。

 

販売実績を記載した商品POP

「在庫僅少」「今、売れてます!」「ベストセラー」などの商品の売れ行きをアピールするコピーを、商品のPOPツールや商品紹介情報内で表記します。

具体的な販売数などの数字がなくても(あればなお良いですが)、「売れている」という情報でだけで、安心して手に取りやすくなります。

 

 

 


Planner’s Column

情報化社会になってもバンドワゴン効果は強力


インターネットでは、バンドワゴン効果が発生しやすい?!

情報は個人が自由に検索して得られるようになり、価値観も多様化したと言われています。

しかしSNSが発展した環境の中、”バズる”と表現されるような「拡散」、批判や中傷が集中する「炎上」など、一つの情報に多くの人々が動く状況は頻繁におこり、同調傾向は変わらずに起こっています。

個人が自由に情報が選択できる時代になったように思われても、実は、情報の偏りが加速する現象も多くなりました。

 

・リツイート数が多いものがさらにリツイートされる

YouTubeで多くの再生回数を記録した動画がおすすめに出る

・ネットニュースのコメントが一方向に偏る   など

 

いずれも、コンテンツそのものの力もありますが、それに加えて、「多くの人が評価・賛同している」ということで興味を持ち、同調していく人が増える現状が起きています。

ネット上のコメントは、わずか数%の人の書き込みであるとも言われていますが、ネットメディアを閲覧する人が多いほど、総意のように感じる人が多くなります。

これは、今までのマスコミが担ってきた情報発信の場面でも同じなのですが、発信源が多様になったことが変わっただけで、人々の心理と行動は変わらないようです。

 

 

 

 

日本人はバンドワゴン効果が効きやすい⁈

”日本社会は同調圧力が働きやすい”と感じている方は多いことでしょう。

 

世界各国の国民性を表現する「沈没船ジョーク」をご紹介します。

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世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかり、脱出ボートの数は足りないために、船長が乗客を海に飛び込ませようとします。船長が各国の人を飛び込ませるために放った言葉とは?

 

アメリカ人に対しては

「飛び込めばヒーローになれますよ」

フランス人に対しては

「決して海には飛び込まないで下さい」

イギリス人に対しては

「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」

中国人に対しては

「おいしい食材(魚)が泳いでますよ」

日本人に対しては

「みなさんはもう飛び込みましたよ!」

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この小話はマーケティングの視点に使われることもあり、「海に飛び込む」ことを「商品を買う」に置き換えます。

日本人は、「みんながもう買っていますよ」という言葉に弱いということになるのです。

 

もちろん、現実の世界ではこれがすべてではありませんが、世界的にも認識されるほど、日本では同調したい国民性があるのかもしれません。

 

国内マーケティングでは、”多数派の支持を獲得する””多数派につく”という方向性は、意識せざるを得ないと思います。