カスタマーサクセス


カスタマーサクセスとは、継続率やLTV(LifeTimeValue=顧客生涯価値)を指標として重視し、顧客の成功が未来の売り上げを作ると考えるマーケティング概念のことです。

 

近年のマーケティングにおいては、既存顧客との関係を強固にして収益を安定化させたいと考える時に、カスタマーサクセスが重視されます。

 

カスタマーサクセスが重視されるようになったのは、モノやサービスの販売形式が従来の売り切り型から定額サービスなどのサブスクリプション型に移行し始めたことがきっかけと言えるでしょう。

サブスクリプションビジネスは、顧客から定期的に収益が得られるため、顧客が増えるほど収益基盤は安定します。

しかしこのサブスク形式が普及するほど、導入は簡便化され、その分他社への乗り換えも容易になっていくでしょう。

解約を防ぎ継続率を高め、LTVを増加させなければサブスクリプションビジネスは成長しにくいのです。

 

ここで、重要となるのがカスタマーサクセスです。

 

サブスクリプションサービスを利用した顧客は、サービスを「使いこなせない」、「思ったような効果が出ない」、「もっといいサービスが見つかった」などの理由で、サービス購入が失敗したと判断することが解約の引き金になります。逆に成功したと判断できれば解約しにくい

ここでいう顧客の成功を手助けするのがカスタマーサクセスという考え方です。

 

顧客の問い合わせに応答する今までのカスタマーサポートとは違い、顧客が能動的に成功を得られるように導くのが一般的なカスタマーサクセスの施策になります。

 

結果にコミット:ライザップのカスタマーサクセス

「結果にコミット」というキャッチフレーズで一世を風靡したライザップ。

コミットとは、英語の「Commitment(コミットメント)」の略で、「約束」や「責任」などという意味があります。

実際に”カラダが変わった”ことを強くアピールすることで、多くの人の関心を集めましたが、これは当たり前のようで、今までのフィットネスビジネスにはなかった(少なかった)ことなのです。

またこのようにカラダが変わることは、本人の意思による部分が大きく、「自己責任」と考えることが企業側と顧客側の両方にあったでしょう。

それをカスタマーサクセス(=顧客の成功)を提供することをサービスの軸に置いた点が画期的であり、顧客側の意識も「成功が対価で手に入る」というものに変えたのです。

 

これが、それまでフィットネス業界に大きく欠けていた”カスタマーサクセス”の部分でした。ダイエットやボディメイク、健康を目的にフィットネスを始めようと、フィットネスクラブに入会する人はいつの時代も多くいましたが、今までの多くのフィットネスクラブは、そのための「場所」や「プログラム」を提供するのみで、それを実行するのは会員の意志に委ねられていました。

ここで、結果(=顧客の成功)を「ダイエットやボディメイクの目標達成」とするならば、その結果については達成できないことを想定して運営されているような部分もありました。

 

もちろん、それがすべて悪いわけではなく、今でもそのようなクラブはたくさんあります。自由に運動できる「場所(スペース)」、楽しく参加できる「プログラム」、交流できる仲間などの「コミュニティ」、明るく丁寧なスタッフから得られる「ホスピタリティ」などに満足する会員は多いのです。

これらの要素は、確かにクラブに継続的に通う理由にはなりやすいのですが、では実際に体重がどのくらい落ちて、スタイルが良くなって、それが対価(会費)に見合うかというと、よっぽど自主性の高い人でないと結果がでないことが多いものです。

そして、先に述べたように、この「結果が出ないこと」が想定されていたことが、これまでの「顧客満足」と「カスタマーサクセス」の違いになっていきます。

 

多くのフィットネス施設のビジネスが「継続利用してもらうこと」が収益の軸であることから、継続してもらうためのサービスを考え、同時にそれは顧客(会員)が満足するものでなけれならないとは考えているはずです。ただ、「顧客満足」としてしまうと、その範囲は感覚・感情的な部分含めて広くなり、「カスタマーサクセス」は、より具体的に顧客にとっての利益や幸せを生み出すこと、という違いがあります。

 

多くのビジネスがカスタマーサービスを目指す時代

今後カスタマーサービスの方針はより加速していくと言われています。

 

なぜ今、マーケティングの大きな方針がカスタマーサクセスの方針に流れていくのかという点は、すでに多くの人が生活やモノに対する満足を得てきている先進国ならではの理論でしょう。

顧客(消費者)は、自分自身の感覚で満足を得た気分になっても、その先の幸せが得られないとすぐに満足度が消失し、サービスや商品への評価を下げてしまいます。そこで、顧客に「その先の幸せ=成功」までも提供していかなければ、顧客をつなぎ留められなくなってきているのです。

 

しかし、日本に多くあった「顧客満足」のビジネスのすべてがそう簡単に変換できるという訳でもありません。

 

この辺りは、顧客や未来のターゲットをよく考察しながら、自社のビジネスのカスタマー策サクセスと何なのか、その目標値を設定することが大切になるでしょう。